耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道科 医療法人社団くまいクリニック

花粉症と咳


今年のシラカンバ花粉の飛散は例年の数倍にも達しているようです。そのため、春の花粉症は、普段は薬や病院のお世話にならなくてもよい人にまで症状を起こして、まさに猛威をふるっている感があります。あらためて、患者さん自身ができる花粉症対策をお話ししておきましょう。まず、第一に花粉と遭遇しないこと(抗原回避)。外出する時はメガネ、マスクで眼・鼻に入る花粉を防護し、マスクは内側を少し濡らすと効果的です。外から帰ったらはシャワーを浴び、頭、顔、眼、身体についた花粉を洗い流しましょう。外で着ていた服は着がえるくらいの心掛けが必要です。かぜの強い日や木がたくさん生えている所(例えばゴルフ場など)への外出は控えた方がよろしいでしょう。窓を開けるのも雨の日が良いと言われています。また、布団、カーテン、縫いぐるみ、絨緞などに花粉が吸着されやすいので、掃除、洗濯をしてこまめにしてください。外で干した洗濯物はよく花粉を払ってから取り込んでください。もちろん、症状を抑さえる為の治療(対症療法)にも来ていただきます。治療の根本は、免疫能を保存しつつ、花粉に対する症状を抑さえることにありますから、患者さんにあった薬を選択し、できるだけ少ない量で最大の効果をもたらすようにしています。目薬や鼻の粘膜に直接噴霧する局所治療薬もいろいろな種類があり症状に合わせて選択しています。薬局で売られているものを2週間以上続けて使うときは医師に相談した方が良いでしょう。どうしても症状が取れないときは、レーザーによる鼻内手術をします。外来でできる日帰り手術ですので悩んでいる方はご相談下さい。そろそろイネ科雑草(カモガヤ、オオアワガエリ、ホソムギなど)の花粉も飛散してきていますので、症状が長引いている方は、きちんと血液検査などで原因を調べた上で、治療を継続して下さい。花粉症の鼻症状が続いていると、咽喉(のど)の炎症やアレルギー反応を起こす方もいます。そのため、軽い発熱や、咽頭痛、咽喉の違和感、いがいが感、から咳、夜の止らない咳などの症状がでてきます。眼、鼻症状がなく、咽喉のアレルギー症状だけの方もいらっしゃいます。喘息の発作にも移行しかねませんので、早めに、診察にいらして下さい。

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